【書籍要約】現役転職エージェントが「転職の思考法」を解説!『いつでも転職できる力』が社会を良くする【本のまとめ】

「転職」に関する基本的な考え方をインストールするべく、北野 唯我さん著書の「転職の思考法」を読み込みました。

「転職」に関する基本的な考え方はアップデートされ、大転職時代が到来している気配を筆者も感じています。

特に、海外の転職事情との比較は興味深く「大企業や有名企業に入れば勝ちの昔の日本社会」とは大きく異なる考え方を持つ転職市場が広がりつつあります。

本書の結論は『いつでも転職できる力を身につければ、日本社会全体が良くなる』です。

特に本ページでは、時間のない方に向けて、要約と現役転職エージェントから見た「転職の思考法」についての考察を述べていきます。

書籍から得られるインプットは、膨大かつ希少価値の高いものです。

価格で迷った人は、即購入することをオススメします。

『いつでも転職できる力』が日本社会を良くする理由

本書の著者である北野 唯我さんは、博報堂からボストン・コンサルティングを経て、ワンキャリアの取締役になっています。

ワンキャリアをベンチャー企業と呼ぶかは置いておくが、大企業からベンチャーに転職した1人と言ってよいでしょう。

終身雇用の崩壊が叫ばれる中、誰もが「転職」を検討する時代になっていることは間違いありません。

本書を読み込むことで『誰でもいつでも転職できる力』を養うことができます。

そして、著者は『いつでも転職できる力が日本社会を良くする』と口酸っぱく記載しています。

以下3つの大きな理由があります。

社会を良くする3つの理由

1. 転職する力がなければ、企業側の言いなりになってしまうから

2. 人材の流動性が高まれば、成長産業に優秀な人が集中する

3.「我慢して働く時代」は終焉を迎えている

それぞれを詳しく見ていきましょう。

1. 転職する力がなければ、企業側の言いなりになってしまうから

思い返せば、サラリーマンとは苦痛の連続とも言えます。

⚪︎嫌いな上司と土日に飲み会
⚪︎役に立たない商品を無理矢理売り込む
⚪︎予期せぬ異動に振り回される

サラリーマンは大変….

「いつでも転職できる力」があれば、嫌な仕事や嫌な会社からすぐに転職できるよね

でも…..

転職サイトや転職エージェントにも登録してないし、

そんなにすぐに転職は難しそう….

「いつでも転職できる力」がなければ、自分にキャリアを決める決定権がなく、会社の言いなりになってしまう

これまでの昭和・平成の時代は、キャリアの決定権は「企業」が持っていました。

優秀な人材を新卒で採用し、ジョブローテーションを繰り返し、大した実力のない人を大量に生み出します。

一部の優秀なトップ層のみが昇進・昇格のチャンスを掴み、それ以外の大多数は苦しく辛いサラリーマン生活を送る必要があります。

会社にしがみついていれば、ある程度の給与は担保され、困らない生活を送れていました。

今までは。

しかしご存知の通り、現代は大企業ですら大規模なリストラを敢行する時代です。

*関連記事*
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優秀な人ほど、令和時代においては「いつでも転職できる力」が重要視されることを直感的に感じ取っています。

2. 人材の流動性が高まれば、成長産業に優秀な人が集中する

もし仮に、全ビジネスパーソンが「いつでも転職できる力」を持った場合、求職者市場に人が溢れるでしょう。

求職者は、より高い年収、自分が成長できる環境、安定した福利厚生など、より良い企業を目指して転職活動を行います。

一方、採用する企業側は「少しでも優秀な人材を採用したい」と思っていますので、自社の給与体系を見直したり評価制度を整えたりします。

求職者によく見えるようにアップデートをするのです。

結果的に「ブラック企業」と言われる企業が淘汰されていくだろう

ブラック企業は、ブラック企業を支える労働者がいるからこそ、存続しています。

ブラック企業で勤める人が転職を開始した場合、ブラック企業経営者は改善を迫られることになります。

結果的に、社会からブラック企業と思われる会社はなくなり、成長産業に優秀な人材が転職して、日本社会全体が良くなります。

本書の著者である北野 唯我さんも、同じような思想を持っています。

3. 「我慢して働く時代」は終焉を迎えている

これまでのサラリーマン社会では「給与はストレスの対価」でした。

つまり、嫌なこと・苦しいこと・理不尽なこと・辛いことを乗り越えたからこそ、給与が貰えるという仕組みでした。

しかし、これからの社会は違います。

「我慢して働く」という時代は終わりを迎え、好きなこと・楽しいこと・ワクワクすることで価値を生み出し給与を貰える社会になります。

逆に言ってしまえば『我慢して働く人は、それしか選択肢がなかった人』と言い切ることができます。

キャリアの選択肢を複数持ち「いつでも転職できる力」があれば、嫌な仕事からは一瞬でおさらばできるからです。

社会を良くする3つの理由

1. 転職する力がなければ、企業側の言いなりになってしまうから
2. 人材の流動性が高まれば、成長産業に優秀な人が集中する
3.「我慢して働く時代」は終焉を迎えている


続いて、本書で細かく解説されている「マーケットバリュー」についての考え方をご紹介していきます。

マーケットバリューを見極める3つの要素

「マーケットバリュー」とは「市場価値」であり、あなたという労働者1人の価格です。

人に値段をつけるなんて….」と言われるかもしれませんが、現代は残酷なほど人に値段を付けます。

本書では、転職において自分という商品をいかに高い値段で売り込むことができるか、という営業活動と比喩されています。

マーケットバリュー」を測る3つの要素は以下で構成されています。

マーケットバリューの3つの要素

1. 技術資産
2. 人的資産
3. 業界の生産性

早速、それぞれを見ていきましょう。

① 技術資産

技術資産は、さらに2つに分けることができます。

・専門性
・経験

「専門性」はその名の通りです。

例えば、ITエンジニアであれば、どんな言語ができるか、どこまで開発できるかなどなどです。法人営業であれば、商品知識、業界知識、プレゼンテーションスキルなどです。

仕事を通して培うことができるスキルと同じです。

しかしながら「専門性」も2つに分類されます。

①自社内でしか使えない専門性と②自社外でも使える専門性です。

本書では、②自社外でも使える専門性の方が価値が高いと説いています。

それもそのはずで、例えば社内調整スキルがあったとしましょう。

山田部長と佐藤部長の仲が悪く、2人が同席する会議では必ず席を離して座らせないといけない、という掟があったとします。

社内調整のスペシャリスト達は、これらの情報や関係性を熟知しており、いつも社内に波風立てぬハンドリングで車内会議を円滑に進めていました。

しかし、これらのスキルが転職して役に立つでしょうか?

もちろん、役に立ちません。

百歩譲って、人間関係を観察する能力や配慮する力は活用できるかもしれませんが、山田部長と佐藤部長の関係性ほど使えない情報はありません。

サラリーマンは、②自社外でも使える専門性を徹底的に磨くべき


続いて「経験」についてです。

経験は「職種に関係なく発揮される経験」と定義されています。

つまり、マネージメント能力や思考力、社会人基礎力などなどを指します。

本書では『20代では専門性、30代では経験、40代では人脈を取れ』と力説されています。

まず「専門性」がなければ、価値のある経験はできませんし、価値のある人脈形成もできないからです。

専門性と経験の総合値が「技術資産」です。

② 人的資産


人的資産とは平たく言えば「人脈」です。

本書では「人脈」について、あなたの繋がっている人が、社内でどんな立ち位置で、どのくらい権限を持っているのか、という事が重要だと説かれています。

つまり、人脈も数ではなく質が重要だということです。

言うまでもありませんが、人脈は自分のレベルが低ければ、低いレベルの人としか繋がることはできません。

専門性と経験を高めて「価値のある人脈」を築き上げることが必要です。




補足ですが、一般に社会の上流階級と呼ばれる人々は、上流同士で繋がり情報交換をしています。当然、それらの情報は下流には流れてきません。

③ 業界の生産性

マーケットバリューを決める最後の要素は「業界の生産性」です。

年収400万と年収1,000万の違いは業界の違いだけ。
当人のスキルや経験はさほど変わらない。


「業界」と「年収」に相関関係があるのは言うまでもない事実です。

衰退産業から成長産業にシフトしていくことが求められます。

自分の市場価値を測るための9つの質問


最後に本書で紹介されている『市場価値を測るための9つの質問』について、質問が意図する背景や回答に沿った解決策を明示していきます。

転職の思考法より引用

Q. 会社を変えても、価値のあるスキルをどれだけ持っているか?

→あなたの社外専門性を問う質問。
筆者の場合、無形商材の営業ノウハウ、思考力、課題の構造化、言語化など


Q. そのスキルの「賞味期限」はいつまでか?


→専門性の希少性を問う質問。
筆者の場合、半永久的に継続する。


Q. 他の会社でも通用する「レアな経験」がどれだけあるか?

→専門性の希少性を問う質問。
筆者の場合、レアな経験として、海外と日本を繋ぐ人材紹介、外資系企業への営業、タイ企業への営業活動など


Q. その経験は、世の中からどれだけ「強いニーズ」があるか?

→専門性の希少性を問う質問。
筆者の場合、正直今のところ不明。ただグローバル化が進む現代において間違いなくプラスに働くと予想している。


Q. 社内に、自分が会社を変えても、喜んで力を貸してくれる人がどれだけ存在するか?その人物たちは、意思決定の力がどれだけあるか?

→人脈を問う質問
筆者の場合、会社を変えた場合、社内は正直難しい。まだまだ。


Q. 社外に、自分のために喜んで力を貸してくれる人物がどれだけ存在するか?その人物たちは、意思決定の力がどれだけあるか?

→人脈を問う質問。
筆者の場合、トップマネージメントへの営業活動をしており、数人該当の人物がいる。意思決定力も持つが業界は離れている。


Q. 自分が所属しているマーケットの「1人当たりの生産性」はどれだけ高いか?

→業界の生産性を問う質問。
筆者の所属する人材業界は、無形商材の営業コンサルティングであり、そこそこ高い。しかし、労働集約的ビジネスであり、アッパーは存在する


Q. 今後、どれだけ「自分の市場価値」は成長が見込まれるか?

→マーケットバリュー全体を問う質問。
筆者の場合、人材業界 × Web業界 × 海外営業、という3点で攻めるため、そこそこ見込まれる。

「あなたがいなくても、会社は確実に回る」はぐうの音も出ない正論

以上「転職の思考法」について要約と転職エージェントから見たコメントをしていきました。

実際、自分の立場に置き換えて考えてみることで、キャリアが整理され今後の展望が明らかになりました。

是非、本書を手に取って、ご自身で実践されることをお勧めします。



最後に「自分のキャリアに置き換えて深く考えたい」や「誰かと会話しながらヒントを見出したい」という人は「キャリアコーチング」がお勧めです。

キャリアや採用のプロが「あなたのキャリア」を分析して客観的なアドバイスをしてくれます。

初回無料相談も可能なので「自分1人ではちょっと….」と思う人は、相談してみるとよいでしょう。

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