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内村 鑑三が残した「成功の秘訣」は今もなお、多くの人に語り継がれている。
本ページでは「成功の秘訣」の原文を振り返り、そこに込められた真意を探っていく。
起業家・経営者として成功を収めたい人は、一度内容を抑えておくと良いだろう。
内容を振り返り何度も読み込み実体験を通じて経験していく事で、骨の髄にまで染み込ませておきたい考えでもある。
私自信も事業を立ち上げ運営・経営を行なっていく身として、心に留めておきたいと感じたため、本ページでご紹介をしていく。
まずは原文をご覧いただこう。
成功の秘訣
1. 自己に頼るべし、他人に頼るべからず。
2. 本を固うすべし、然らば事業は自づから発展すべし。
3. 急ぐべからず、自働車の如きも成るべく徐行すべし。
4. 成功本位の米国主義に倣ふべからず。誠実本位の日本主義に則るべし。
5. 濫費は罪悪なりと知るべし。
6. 能く天の命に聴いて行ふべし。自から己が運命を作らんと欲すべからず。
7. 雇人は兄弟と思ふべし。客人は家族として扱ふべし。
8. 誠実に由りて得たる信用は最大の財産なりと知るべし。
9. 清潔、整頓、堅実を主とすべし。
10. 人もし全世界を得るとも其霊魂を失はば何の益あらんや。
人生の目的は金銭を得るに非ず。品性を完成するにあり。
それぞれの意味合いについて考察していってみよう。
目次
自己に頼るべし、他人に頼るべからず
他人をあてにせず自分の力で道を切り拓くこと。
「他力本願」という言葉があるように、他人の力を頼って生きることはオススメしない。他人の顔色を伺いながら生きることになるからだ。
身近な例を挙げれば、上司の機嫌やお客様の機嫌を取りながら仕事をすること。友人や知人に金銭的な貸しを与えたまま生活することだと言える。
他人の力を当てにしていれば他人に「期待」をする。
そして、他人が思い通りに動かなかった場合「期待はずれ」となる。
無駄なストレスが溜まり人生に主体性を見出せなくなるだろう。
2. 本を固うすべし、然らば事業は自づから発展すべし。
「本を固うすべし」という言葉は「根本や基礎を固めるべき」という意味だと解釈でき、何事も基本が大事だと捉えることができる。
「然らば事業は自づから発展すべし」という言葉も、基礎が固まっていれば自然と事業は大きくなり発展していく、何事も基礎が重要なのだ、という意味合いになる。
スポーツ、仕事、趣味でも同じだろう。
基礎が出来上がっていない人が、小手先のテクニックを要した所で効果はない。
何か大きな事を成し遂げたいと思っている人こそ、基礎や根本をしっかりと固めるべきなのである。
3. 急ぐべからず、自働車の如きも成るべく徐行すべし。
生き急いではいけない。
大切な事ほど、慎重かつ大胆に動かなければいけない。
自動車のような性能を持っていたとしても、徐行するように慎重に進むこと。
物事は慌ててもいけないし、忘れてもいけない。
焦っても事が上手く運ぶことはないのだから、焦らずテキパキとこなすという感覚が大事なのだろう。
4. 成功本位の米国主義に倣ふべからず。誠実本位の日本主義に則るべし。
バブル崩壊から成功本位の米国主義が“正しい”とされてきた。米国で流行ったものが東京に3年遅れてやってくる。大阪にはさらに3年遅れてやってくる。
地方都市はさらに3年遅れだ。
米国の真似事ばかりしていても二番煎じの結果しか得られない。日本には日本独自の成功の法則があったはずだ。大東亜戦争以前の日本は米国よりも優れた戦闘機を持っていた。技術力を持っていた。
誠実本位の日本主義を忘れてはいけない。
5. 濫費は罪悪なりと知るべし。
濫費(らんぴ)とは、計画なく無闇に浪費することだ。主に、お金に関する格言だと推察するが、お金に限らず有限のモノは全てだ。時間も浪費してはいけない。
皆はお金は有限だと理解しているが、時間も有限だと理解している人は少ない。なぜか時間は無限だと錯覚してしまう。一刻一刻と我々は死に近づいているにも関わらず。
有限なお金や時間を正しく使うには「計画」が必要だ。
計画がなければ正しいか悪いかの判断もできない。お金を使う計画や時間をどう使うかの計画を建てるべきだろう。
計画があり始めて行動が生まれ結果が出る。計画なき行動はただの濫費(らんぴ)と言える。
6. 能く天の命に聴いて行ふべし。自から己が運命を作らんと欲すべからず。
「能く天の命に聴いて行ふべし」は、天の声を聞くことで自分の道が拓けるとは、よく言われる言葉の一つだろう。
天命に背かずに自らの手で道を切り拓くことが大切なのだろう。
自分自身の運命を天の声に任せることは全くもって異なる意味合いになるが、自らの手で切り拓く事が何よりも重要なのだろう。
7. 雇人は兄弟と思ふべし。客人は家族として扱ふべし。
起業家や経営者は必ず組織を持つ。従業員を採用する形になる。自分の会社に共感し仲間となってくれる人を探し採用しなければいけない。
また、客人も必ず存在する。これらの人間関係を保つ上での処世訓と言える。
「親しき仲にも礼儀あり」という言葉があるように、人間はどこまでいっても独りである。人間関係には、必ず他者が必要で、彼らを最大限に尊敬、尊重、敬って接することである。
8. 誠実に由りて得たる信用は最大の財産なりと知るべし。
最大の財産は何か?
と問われれば、多くの人はお金や株式、土地や不動産といったモノを連想するだろう。
しかし「成功の哲学」では『信用』が最大の財産であると説かれている。物質的な豊かさから精神的な豊かさへと変化する現代において、財産においても同じ事が言える。
内村 鑑三の生きた時代から、既に日本人は精神世界の充実を”幸せ”と定義していたのだろう。
9. 清潔、整頓、堅実を主とすべし。
全ての人や物事に通じて言えることは、清潔や整理、堅実を軸として生きることである。
汚いことは、陰口や悪口を言われる原因になるが、綺麗なことでそんな事を言われる事はない。また、ものづくりの現場においても「5S」という言葉があるように、整理整頓して綺麗な状態はそれだけで美しいのである。
こと、経営においても同じ事が言える。
身の回りが汚い人が、他人を配慮して事業を回せるわけがない。
10. 人もし全世界を得るとも其霊魂を失はば何の益あらんや。
人生の目的は金銭を得るに非ず。品性を完成するにあり。
最後の言葉は「成功の哲学」において最も印象深い言葉である。
人間の欲望というものは、底無し沼のようなもので、例え全世界を支配下に置いたとしても満足できない。そして死して没してしまえば、その栄華は儚く散ることになる。
人生の最大の目的は、死んでしまったら失うものを集めるのではなく、生きる今の世界を充実させる品性である、という意図が垣間見える。