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先日、某自動車関連上場企業の人事部長と商談の機会があった。
そこで「発展途上国の労働感覚は日本の20年くらい前と同じ感覚なんでしょ」
という趣旨の発言があり、色々と思う部分が多かったので、本記事にまとめていこうと思う。
ちなみに「Quora」でも類似したスレッドを見つけたので、貼り付けておこう。
▶︎日本人の働く環境というものは世界からみてもやはり異常なのでしょうか?
(別ページに飛びます)
結論「日本人の労働感覚は異常」というのは同じなのだが、本記事ではより建設的に、
「それで、日本人が世界で勝つためには?」という論調で具体的な施策にまで落とし込んでいく。
日本人の労働感覚に関する他記事もあるので、是非参考にして頂きたい。
それでは、早速見ていこう。
日本人の労働感覚の異常さ
冒頭の人事部長との会話を簡単に紐解いていく。
部長「発展途上国の労働感覚、特に定性的な面を知りたいんだよね。やっぱり日本の20年前くらいと同じなんだよね?」
私「えーっと、と言いますとどういう点ですか?」
部長「今の日本って、簡単に言うとみんな甘えてるんだよね。ワークライフバランスとか仕事のやりがいとか求めてるんだよ。なのに、年収は800万円、900万円欲しいです、って言うんだよね。」
私「なるほど、確かに最近の日本はワークライフバランスが取り上げられていますよね。発展途上国、とりわけ東南アジアの労働感覚とはまた違った面がありますよね。」
部長「そうそう。それで、発展途上国だったらもっと根性があって仕事に前向きな人って多いよね?その辺って日本と比べてどうなの?」
はい、ここで一旦止めよう。
ここまでの部長との会話の中で推測した仮説がある。
「部長は、東南アジアの経済発展が日本と同じ軌跡を辿っている」
という考えがあるのではないかという仮説だ。
これは正直に言えば大きく違う。
アメリカやヨーロッパ、日本という先進国が歩んできた経済発展と、現在の東南アジア、インド等が歩んでいる経済発展は全く別物である。
前者は製造業を中心とした第二次産業が成長を牽引しているのに対して、後者は第二次産業がなくいきなり第三次産業であるサービス業が経済を牽引している。
(もちろん厳密に見ていけば、第二次産業が強い国も存在する)
誤解を恐れずに言えば「部長の頭の中では、日本と世界は同じ」だったのだ。
そんな訳はない。
さて、続きを見ていく。
私「いや、部長。残念ですけど、東南アジアの労働感覚でも、ワークライフバランスや給与を求める感覚は同じですよ。むしろ日本よりも強いと感じてます。
例えば、インドだったら仕事が終わればみんな家族の時間ですし、タイだったら仕事が残っててもみんな定時で帰りますよ。」
部長「え、そうなの?もっとガンガン稼いでやろう!っていうガッツのある人が多いんじゃないの?」
私「どうですかね。むしろ日本人みたいに働く人はいないんじゃないかと感じています。」
そう。
私はここでズバッと部長に、
「日本人の労働感覚は異常ですよ」とお伝えしたのだ。
では、具体的にどんな点が異常なのかを詳しく見ていこう。
世界の労働者の当たり前
日本在住の日本人からすれば当たり前の労働感覚が世界では通用しない。
例えば、世界の労働感覚の当たり前を見ていこう。
・仕事は給与を得るためのツール
・報酬が発生しなければ仕事はしない
・評価されなければ仕事はしない
・仕事の時間が終われば家族や自分の時間
・会社の飲み会なんて存在しない
・転職の動機は95%以上が「年収アップ」
少し大袈裟に表現している部分もあるが、大半の世界基準は上記の通りだ。
日本人は良くも悪くも、会社に一生懸命になりすぎて仕事中毒の人が多いのだ。
そして「会社」という組織への一体感を強要する雰囲気があり、転職すれば「裏切った」という扱いを受ける。
世界では、異常だ。
日本人がグローバルで勝つためには?
さて、ここまで日本と世界の労働感覚について簡単ではあるが紹介してきた。
日本人がグローバルで勝ち残るためには、
結論「良い部分を抜き取り、悪い部分を消し去る」が必要だと感じている。
日本人の労働感覚は世界で見ると非常に特異的であり、良い面も悪い面も多い。
逆に言えば、世界水準とは異なる見方ができるので強みでもある。
・時間に精確
・口約束を守る
・仕事は自己表現の一部
・期待値以上の仕事をする
・組織としての一体感が強い
・チームワーク、仲間愛が強い
逆に良くない部分を見ていく。
・契約を守らない
・自分よりも会社
・家族よりも会社
・同調圧力が強い
・出る杭が潰される
・個人のパフォーマンスが低い
ちなみに、日本人と世界の労働感覚に関する鋭い考察が得られる本があったので紹介しておこう。
本書では「大東亜戦争の教訓から学ぶ」という着眼点から歴史を紐解きながら、我々日本人の特徴や性質を言語化している。
グローバルで戦いたい人は、必ず読むべき本であることは間違いない。
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